日本学生支援機構の奨学金を借りるor借りたら絶対知っておくべきこと

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今や、日本の専門学校や短大や大学に通う学生の2人に1人が利用していると言われている奨学金。学生の頃の2〜6年間で借り、社会人になったら約10〜20年かけて返済するのが一般的ですね。

その中でも、多くの人が利用する「日本学生支援機構(JASSO)」。国が運営しているため、皆が利用のためのハードルを低く感じていると思いますが、利用するためにはしっかりとその仕組みや実際について知っておく必要があります。また、社会人になって返済を続けていく中で、今日のコロナ禍や景気の変動や病気での休職により収入が減ったりなど返済がきついと感じている人が多くいることも事実です。そのような場合の救済制度などもあるので、しっかりと利用できる制度などを把握しておきましょう。

今回は、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度の基本をまとめました。これから借りることを検討している人や既に借りている人、社会人になって返済を進めている人に絶対に知ってほしいことです。

この記事を読んでほしい人

社会人になって、奨学金の返済をしている人、これからする人

ぶっちゃけ、とりあえず提示されるままに引き落とし手続きをして、返済していませんか?

自分の利用した奨学生制度がどういうものなのか、改めて知ることでこれからの人生設計が明確になったり、定年を迎えても安心して暮らせる生活を得られると思います。私も、お金に無頓着でとりあえず引き落とし口座にお金を入れていただけの人なので。今思うことをぜひ多くの人に知ってほしいです。

「奨学金は借金。」可能な限り、早く自由になりましょう。

現在、専門学校や短大、大学、大学院で勉学に専念するために奨学金を借りている人。

実際に社会人になって返済が始まるとどんな感じなのか、を学生の頃に知っておくことはとても大切です。今奨学金として得ているお金は「未来の自分から借りているお金」なので、その使い方や運用方法を考えるきっかけにしてほしいです。

これから高校を卒業後の進学を予定している人にもみてほしい。

今は、自分の夢や目標の実現のために進学が必要で、その経済的な支援のために「奨学生支援機構を使うしかない」と思っているかもしれない。でも、もっと世の中を知れば、他の選択肢が見つかるかもしれないです。

逆に、「今の自分の夢や実現するための”過程”をたどるために未来の自分から借りている。大事な投資」と思って大いに活用するのも大切。少なからず、「知らないまま、言われるがままに過ごしていたらこうなっていた」とかんじている人が少しでも減ってほしいです。

日本学生支援機構の奨学金の概要

第1種と第2種の違い

日本学生支援機構の奨学金には、無利子だけど学力基準のある「第1種」有利子だけどハードルが低い「第2種」があります。私は、大学4年間で第2種を、大学院2年間を第1種で借りていました。

第1種の貸与の可否は、高校での成績によって決まります。高校内で実施される試験や授業の成績が基準になるので、同程度の学力であったとしても高校の偏差値が異なると偏差値が高い高校の方が学力判定は相対的に低くなりがちですよね。実際に、私が進学した大学では、私よりも出身高校の偏差値が低い人は大体第1種を利用していました。

大学院2年間で利用した第1種の奨学金の申請は、大学4年間の成績を元に判断され、第1種または第2種のいずれかに申請することになります。第1種の場合は、所属研究室の教授らからの推薦書も必要になるため、そのような経済的な不安についても事前に相談しておいて意思確認などできていると安心ですね。大学院生であれば基本的に断られることはないと思うので、大丈夫です。

借りれるようになれるまでの流れ

それぞれの具体的な採用基準については、日本学生支援機構のホームページから詳細を確認できます。https://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/kijun/index.html

高校在学時などの進学前に申請(予約採用)

進学を検討する頃には、高校内で様々な奨学金制度の説明会が開かれていると思います。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度の説明会はその代表格です。このタイミングで奨学金の利用を考えている人は、とりあえず真面目に説明会に参加して、必要な申請を行えば問題ありません。

進学してから申請

経済状況の変化などで、進学後しばらくしてから申請することになる人もいます。ですが、基本的には大学ごとに決められた申請期間内で手続きを行う必要があるため、生活がきつくなってから慌てて申請して受け取りが遅くなるようなことがないようにしましょう。常に情報を得て、自分の生活状況も把握しておきましょう。

何かしらの事情によって緊急性の高い場合、臨時採用という手段もあります。必要に応じて検討してみてください。

大学院に進学してから申請

修士課程や博士課程で利用する場合は、実際に進学してから申請することになります。大学生の頃の成績によっては高校卒業時の申請の時よりも第1種申請基準に満たす人も多いかもしれませんね。研究室の教授や指導者からの推薦書が必要な場合もありますので、しっかり調べながら準備を進めましょう。

保証人について

奨学金を借りるためには、保証人を立てる必要があります。保証人は、身近な人にお願いする「人的保証」と保証をお金で解決する「機関保証」があります。

人的保証

連帯保証人(基本的に、保護者)と、生計が別な保証人の2人による保証が必要です。既に稼ぎがある兄弟や親戚の叔父や叔母などにお願いすることが多いようですね。私は、大学4年間で利用しました。父を連帯保証人に、母方の姉の旦那である伯父に保証人をお願いしました。

機関保証

身近な人に連帯保証人や保証人をお願いできない場合に、保証料としてお金を払うことで定められた会社に保証人を依頼できるものです。保証をお願いする代わりにお金が取られるならなんとか人的保証にしたい…とも思いますが、実際には誰かに迷惑をかけていないというのは少し安心感にもなりました。大学を1回出たあとで更に進学するとかなら最初から前向きに検討してもいいかもしれないです。

私は、別記事で紹介する所得連動返還方式を利用するために機関保証を選びました。大学院2年間だったので、結果的に良かったと思います。保証料は、月々貸与を受ける奨学金から天引きさレます。(私の場合、月額85,000円から天引かれて手元に83,000円はあったかな。)

奨学金の受け取り

奨学金の受け取りのためには、銀行口座を指定し、振り込まれたものを受け取ることになります。

これは、可能であれば、今のあなたの年齢にかかわらず、自分で管理できる口座での受け取りにした方が良いと思います。あるいは、口座のお金は自分で管理できるようにしましょう。親が管理してくれる人もいると思いますが、それだと「将来の自分から借りている」「返済しないといけないお金」という感覚が薄れてしまいます。私はゆうちょ銀行を利用して受け取っていましたが、ゆうちょはキャッシュカードと通帳の両方で預け入れと引き出しができるため、通帳を親に預けていました。その結果、私は基本的に残高しか確認しないようになり、また奨学金として得たお金で支払う学費の管理等は完全に親に頼りっぱなしになり、そのお金の動きやこの大金の価値などがよくわからないまま過ごしてしまいました。奨学金は、労働や頑張りで得た「収入」でなければ、特別に認められた「学費免除」でもありません。「借金」という気持ちを忘れないように、その入出とお金の動きは自分で管理するようにした方が絶対に良いです。

また、親や家族の生活費として搾取されている人もいると聞いたこともありますし、実際に私も少なからずそうなっていたのでは、と思うことが多々ありました。奨学金を借りることは親孝行でも恥でもなんでもありません。自分の選んだ進学に自信を持てるといいですね。

実際の返済について

学校を卒業した年の10月から返済が始まります。具体的な返済額は事前にわかるので、毎月返済可能な額かどうかなどを確認して、返済できるように準備していきましょう。

「所得連動返還方式」を利用している場合は少し特殊な形式になりますので、また別の記事で紹介します。

基本的に、借りた人の指定の口座から引き落とされます。何かしらの理由で返済できない時は、絶対に連絡相談しましょう。スカラネットというネット申請からも手続きができます。そのままにしてしまうのが一番NGです。もう一度言います、絶対に、返済できない状態でそのままにしないようにしましょう。

返済の免除や保留について

学業を続けている状態、つまり大学や大学院等に学生として在籍している場合は返済を保留にできます。その間、利子は発生しません。

また、何かしらの理由で経済的に苦しくて返済がきつい場合は、申請することによって月々の返済額を減らすか保留にすることができます。返済自体を免除できるわけではありません。その間、利子は発生します。

その他、こちらも参考にしてみてください

今回は、日本学生支援機構(JASSO)の概要について説明しました。

借りずに進学できるに越したことはありませんが、冒頭でも伝えたように「将来の自分から借りている」という意識さえ持てていれば、ある意味何に使うのも自由なのでぜひ活用した方が良いと思います。私自身、大学卒業時に利子も入れると総額600万円の借金を抱えているのは非常に恐ろしいことでしたが、逆にこの制度がなかったら進学もできなかったんだなーと思うとそっちの方がなんか理不尽で悔しいです。幸いにも、借金をしてでも学問を身に付けることを止めずにいてくれた親だったことで、これ以上の後悔をせずに済んだと思います。

何の不満も不安もなく進学できる人もたくさんいますが、人は人。めちゃくちゃうらやましかったですし、一人暮らしの生活費も車代も娯楽費も全部親が出してくれている友人も多かったので、正直悔しかったです。学費も生活費も娯楽費も全て親が面倒を見てくれている友人から「なんでそんなにバイトするの?」と言われた時は、これからもずっと埋まらないだろう壁を感じて悲しくなりました。

でも、このお金の価値を決められるのは、進学前も、進学中も、社会人になった今も、自分だけです。たくさん知って、あの頃の自分にも今の自分にも自信を持ちましょう。

それぞれの詳細についての説明も別途行いますので、良かったら参考にしてみてください。

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