【セクマイの悩み相談】産休・育休取得のために職場でカミングアウトした方がいい?#レズビアン

ベットに寝転がる子供の兄弟 LGBTQs

今の彼女と一緒に妊活をしようと思っています。

今後、産休や育休を取得することになると思うのですが、職場へのカミングアウトのことを考えると子供を産むことも難しいな〜と考えてしまいます。

結論から言うと、産休や育休の取得は「労働者の個人の権利」です。「夫婦」に与えられた権利ではないんです。

なので、「自分の労働者の権利として取得する!」という強い意志があれば、カミングアウトは絶対に必要ではないと思います。

でも、誰でも簡単に自分のプライベートな話ができる職場環境であれば、このような悩みも持たずに済むのになーって思いますよね。そういう時に、「転職したいな」「独立したいな」という気持ちを持つようになるのも現実です。

同性カップルとして子どもを育てる決意をした上での「働き方」や「労働者の権利」について、見てみましょう。

ぬい
ぬい

私も、身近な同僚には伝えられたとしても、どこかでアウティングされないかな?と不安になり、カミングアウトはできないな〜と感じてしまいます。

「産休」と「育休」の取得は労働基準法で定められている

産休と育休は、女性が出産や育児により一時的に職から離れる必要がある時に、男性と女性とを比較して女性が不利益な扱いを受けないように、という意図から設置されました。

産休、育休と一口に言いますが、実際には労働基準法で定められたルールがあり、職場独自で設けている制度ではありません。要件を満たせば、誰もが申請して取得できるものです。

また、産前休暇・産後休暇を取得している期間中と産後休暇を取得した後30日間は、事業主が一方的に解雇することができない、というように定められています。

出産前に申請して取得する「産前休暇」

産前休暇と産後休暇の大きな違いとして、産前休暇は取得するかしないか、またどれくらい取得するかは本人の希望で決められる、という点です。

出産前の産前休暇は、本人から事業主に申請して取得することになります。そのため、本人が希望すれば出産直前まで働くことも可能です。

取得可能とされている期間は、原則として出産予定日の6週間前(42日間)となります。双子以上の場合は14週間前(98日間)から取得できます。

もし出産日が予定日より早まった場合、産前休暇の取得日数は短くなります。ですが逆に予定日より遅くなった場合も出産日までは産前休暇に含まれます。上記の「原則」はあくまでも原則、なのですね。

出産翌日から最大8週間取得できる「産後休暇」

産前休暇と産後休暇の大きな違いとして、産後休暇は法律で定められた期間中は就業が禁止されている、という点です。

産後休暇は、出産翌日から8週間取得できます。(出産日当日は産前休暇に含まれます)

原則として、出産翌日から8週間は法律で就業が禁止されています。つまり、会社や雇い主側もその期間中は従業員に就業させることができない、ということです。ですが、産後6週間経った後であれば、本人の希望していることと医師から認められていることの条件が整った場合のみ就業を再開することができます。

産後休暇は出産の翌日から適用されることになっているので、予定していた出産日から実際の出産日が後ろになった場合でも、実際の出産日を基準として8週間の取得が可能です。

生まれた子供が満1歳になるまでを区切りに取得できる「育休」

育休は、原則子供が満1歳になるまでの期間取得できるものです。産後休暇取得後に取得できます。

正社員であり、雇用された期間が1年を超えている場合は問題なく取得のための申請をできるのですが、雇用期間が期間契約となっている場合には取得のために確認しなければならない条件があります。

詳細は、下記からご確認ください。

同性カップルとして産休・育休を取得するために準備すること

同性カップルだから、と特別構える必要はないのですが、職場によっては完全に「シングルマザー」としての扱いで妊娠・出産・育休と進まなければならない場合がほとんどです。

そんな時に、職場内に相談できる人が一人でもいれば安心ですよね。

実際に産休・育休を取得するための要件や必要書類などの確認と併せて、もし職場の人に今の状況を伝えるならどの程度伝えるか…などをシュミレーションしながら考えていきましょう。

職場への産休・育休取得のために伝える情報の整理

「絶対にカミングアウトしなけらばならない」と身構える必要はないと思います。

ですが、行き当たりばったりで状況を伝えようとすると、緊張したり、相手からの言葉に動揺して伝えたいことを十分に伝えられなかったり、伝えたかったことは伝わっても他の誰かには違う表現で伝わってしまったりと困り事が出てくるリスクの方が多いです。

そのため、下記のような点について事前に情報を整理して、必要であればメモを持った上で状況を伝えたり相談することをおすすめします。

・同性パートナーの有無について、どの程度伝えるか(同性であることは伏せて籍を入れない予定のパートナーがいる、など)
・妊娠出産や今後の育児について、どの程度周囲からのサポートを受けられる予定か(パートナーがいない方は特にこのあたりを念入りに確認してから)
・産休、育休の取得に対する気持ち、現時点での取得を希望する期間など
・産休、育休復帰後に現在の仕事や業務を続ける意思があるかどうか、業務変更や部署移動を望むか

産休・育休を取得している間の給与の確認

労働基準法では、産休・育休期間中に事業者が給料を支払う義務はない、と定められています。「義務」に対する定めなので、実際に例外はあります。

ですが、産休や育休取得中に給与を受け取れないとなると、絶対に自分と子供を養ってくれる相手がいないと子供を産み育てること自体困難ですし、貯蓄してからでないと子供を産めないのでは?という心配も出てきてしまいますよね。

そのような心配をしなくて良いように、産休取得日数に応じて受け取れる「出産手当金」と育休取得期間に受け取れる「育児休業給付金」いう給付制度があります。

健康保険から給付される「出産手当金」と「出産育児一時金」

「出産手当金」と共に受け取ることを検討するものとして「出産育児一時金」というものもありますが、この2つは支払い元は健康保険会社になります。つまり、勤務先の健康保険に加入している人(被保険者)が受け取れます。

「出産手当金」は産休取得前の12ヶ月間の標準報酬月額をもとに算出された日額の3分の2にあたる額が1日の手当給付額になります。その額×産休取得日数分の手当金を受け取れます。

「出産育児一時金」は、胎児1人に対して42万円の給付を受けられます。もし、産科医療保証制度に加入していない医療機関などで出産した場合や妊娠22週未満の出産・死産などの場合は40万4000円の給付になります。

「出産育児一時金」は本人が会社に勤めていなくても扶養家族としての配偶者の勤め先に「家族出生育児一時金」としての申請もできますが、現在の日本における同性婚が認められていない状況ではこの制度は利用できないです。そのため、本人が勤めている職場の健康保険加入が条件になります。

なおこの全てにおいて国民健康保険の加入者は対象外になるので、仕事をやめてから出産しようと考えている人は要注意です

雇用保険から給付される「育児休業給付金」

「育児休業給付金」は、育児休業中国から給付を受けられる制度です。給付のための条件として、雇用保険への加入が必須になります。

この給付金の場合は、休業開始直前の6ヶ月間で得た賃金をもとに1日あたりの賃金「休業開始時賃金日額」が決められます。実際の育児休業の取得日数にあわせて育児休業開始から180日間は67%、181日目以降は50%の給付を受けられます。

出産手当金と異なり「賃金」から1日あたりの給付額が算定されるので、時間外手当や住宅手当や通勤手当などの諸手当も算出の際の参考額に含まれます。

育休取得期間が「勤続年数」に加算されるかの確認

この先もこの職場で働こう!と強く決めている人であれば、その後の昇給などについても少し気になるところ。

産休・育休を取得した従業員の昇給や退職金に掛かる「勤続年数」の数え方については、法律で厳しく定められているものではありません。特に、退職金に掛かる勤続年数については、会社が独自で定めることになっており、産休・育休を取得後に退職する決意をした場合、結果的に1円も退職金を受け取れなかった、なんてことも普通にあります。

この点については、正職員であれば正職員の就業規則や育児休業規則などに詳細に記載してあるので、もし記載がない場合は総務や雇い主に確認するようにしましょう。

大切な人と一緒に安心して暮らすために転職や独立も検討

「同性婚」の法整備が整っていない日本では、まだまだ同性カップルが安心して歳を重ねられるような社会保障の制度が準備されていません。そのため、とりあえず収入を安定させて生活への不安をなくそう、と考えている人も多いと思います。

また、「やっぱり今の職場では事実婚状態の人がいるとも言い難いな」と感じて、窮屈な気持ちになっている人もいるかもしれません。

これらに少しでも当てはまる人は、今すぐにでも転職や独立の準備を始めましょう。

今、同性カップルが転職や独立を検討した方がいい理由

世界全体でのSDGsの意識が高まり、日本国内の企業でもSDGsの考えを取り入れて企業運営を行なっている会社が増えてきました。

そんな日本情勢の中で、今でもジェンダー平等の考えやLGBTQsへの否定の考えが強かったり、そんな考えを持っている人がある意味少数派にならない職場環境は、正直、これから先働き続けて自己実現したり経験を積み上げていくにしても良い環境では無いと思います。

このような点から、「あれ?この職場で仕事を続けながら生きていくのは少し窮屈だな?」と感じるようであれば、これを機に転職や独立を考えてみた方が良いかもしれません。

「自信が無いから」と弱気にならないで大丈夫

かといって、急に転職や独立を考えるとなると、経験や資格は十分か、私にできることあるのかな?と心配な気持ちになりますよね。

もちろん、思い切って同じ業種への「転職」という選択をすることも大切です。でもこれから子育てを始めることを考えているのであれば、子育てをしやすい出勤形態の仕事がいいですよね。

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最後に

私が仕事に向き合うときに大切にしている考えで、「仕事での私の代わりはいるけど、プライベートでの私の代わりはいない」というものがあります。

これは、私のことを大切に想ってくれている家族やパートナーにとって、私以外の何者も代わりにはなれない、ということです。

つまり、私にとっても、私の大切な人にとっても、私は私でしかない。仕事の責任は職場の人と一緒に取れるけど、私の人生の責任は私しか取れないんですよね。

これを思うと、何かの決断をする時々で「私の大切な人のために、私を大切にできる選択をしよう」と思えます。

ぬい
ぬい

あなたがあなたらしく生きれる環境づくりを大切にしてみてもいいかもしれないですね。

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